世界5大ウィスキーとは?

 
その歴史は古く、はるか昔から世界中で愛され常飲されてきた世界5大ウイスキー。
近年日本でもメディアの影響から爆発的な再ブームが巻き起こり、世代を超えてウイスキーのニーズはどんどん高まっています。
とはいうものの、世界5大ウイスキーについてあなたはこう思っていませんか?

「世界5大ウイスキーの原産地ってどこ?」
「世界5大ウイスキーの主な原料や製法は?」
「世界5大ウイスキーの味わいや特徴の違いは?」

そこで当記事では、世界5大ウイスキーそれぞれの原産地や特徴をギュッと簡潔にまとめました。
読めばきっとあなたもウイスキーマイスターへの第一歩を踏み出せるでしょう。
5分で読める内容ですので、ぜひ最後までご一読ください。
 

世界5大ウイスキーの原産地

世界5大ウイスキーとは、以下の5つです。

1.スコッチ『スコットランド』
2.アイリッシュ『アイルランド』
3.アメリカンウイスキー『アメリカ』
4.カナディアンウイスキー『カナダ』
5.ジャパニーズウイスキー『日本』

それでは、これから一つひとつ詳しくご説明していきます。
さらに、世界5大ウイスキーではないものの、じわじわ人気が高まっている台湾ウイスキーについても最後にご紹介します。
 

スコッチ

スコッチはスコットランド原産のウイスキーです。世界のウイスキー全消費量の約60%を占めており、ウイスキーといえばスコッチのイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。
スコッチは使用される原料によって次のふたつの呼び名があります。

1.モルトウイスキー/2.グレーンウイスキー

ふたつの大きな違いは「モルトウイスキー」は大麦麦芽が原料であること、そして「グレーンウイスキー」は小麦やライ麦、トウモロコシが原料であることです。
さらに仕上げる工程の違いで、以下の種類に分けられます。

1.シングルモルトウイスキー/2.ブレンデットウイスキー
 
まず、シングルモルトウイスキーとは、ひとつの蒸留所でモルトウイスキーのみを使用し製造されるウイスキーのことです。蒸留所ごとにはっきり個性が分かれる味わいが特徴となっています。
具体的には、

1.青りんごや洋梨のようなほのかな酸味とすっきりとした甘み
2.はちみつやキャラメルのような濃厚な甘み
3.潮を感じさせるさわやかな磯の香り
4燻.製されたスモーキーな味わい

というような、原料が同じでも水や蒸留される過程によってまったく香りや味わいが異なるウイスキーに仕上がります。
そして、モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドして造られたウイスキーが、ブレンデットウイスキーです。シングルモルトのようにひとつの蒸留所のみではなく、さまざまな蒸留所のウイスキーをブレンドし仕上げています。ブレンデットウイスキーはクセが少なくシングルモルトほどの個性はないものの、ほんのり香る甘いフレーバーとまろやかな口当たりが万人受けするウイスキーです。スコッチの代表的な銘柄には、マッカランやグレンリヴェット、デュワーズやジョニーウォーカーなどがあります。
 

アイリッシュ

アイリッシュはスコットランドの隣国、アイルランドで作られているウイスキーです。スコッチに比べ銘柄が少なく日本ではそれほど有名ではありませんが、5大ウイスキーの中で最も歴史が古くウイスキー発祥の地といわれています。アイリッシュウイスキーを作る基準はとても厳格であり、具体的には以下3つの要件をクリアしなければなりません。

1.麦芽の酵素で糖化し酵母の働きで発酵していること
2.アルコール度数が94.8%未満の蒸留液を使用していること
3.木樽で3年以上熟成させていること

また、一般的にスコッチは2回蒸留で完成させていますが、アイリッシュはさらに1回蒸留を追加し3回蒸留で完成させています。それによって生まれる独特のオイリーな香りとなめらかでスッキリと軽やかな味わいが、ウイスキー初心者でもフルーティーで飲みやすいと多くの人から愛飲されています。代表的な銘柄には、ジェムソンやブッシュミルズ、カネマラなどがあります。
 

アメリカンウイスキー

アメリカンウイスキーの主流はバーボンです。
バーボンを蒸留するには、アメリカの法律で厳しい規格が設けられています。
具体的には、以下の3つです。

1.原料はトウモロコシを51%以上含ませ、残りは大麦麦芽や小麦、ライ麦を使用すること
2.アルコール度数80%以下で蒸留すること
3.内面を焦がしたホワイトオークの新樽を使用しアルコール度数62.5%以下で熟成させること

このようにトウモロコシを多く使い、香りの強い新樽を使うことによって、バーボンの特徴である力強い甘みとバニラやキャラメルのような香りが生まれます。
また、ほかにもテネシーウイスキーやライウイスキー、コーンウイスキーなども有名です。
代表的な銘柄には、ジムビームやメーカーズマーク、ワイルドターキーなどがあります。値段もリーズナブルなので日本にもファンが多く、家庭の常飲酒として好まれています。
 

カナディアンウイスキー

カナディアンウイスキーは、以下ふたつの種類をブレンドし製造されているウイスキーです。

1.トウモロコシを主な原料にしたマイルドでクセの少ない「ベースウイスキー」
2.ライ麦やトウモロコシなど穀物を原料にしたオイリーでスパイシーな「フレーバリングウイスキー」

比率はベースウイスキーが70%〜90%、フレーバリングウイスキーが10%〜30%、蒸留所によってブレンドの配合を変えています。味わいは5大ウイスキーの中でも最も軽く、クセがないので飲みやすいのが特徴です。アイリッシュも軽やかな味わいが特徴ですが、カナディアンウイスキーはさらに口当たりが軽くマイルドです。アイリッシュと同様、初心者でもとっつきやすく飲みやすいウイスキーではないでしょうか。カナディアンウイスキーはあまり日本で流通しておらず、代表的な銘柄としてはカナディアンクラブとクラウンローヤルがあげられます。
 

ジャパニーズウイスキー

ジャパニーズウイスキーとは、スコッチをお手本に造られた日本のウイスキーです。そのため、味わいや特徴がスコッチとよく似ています。蒸留されるウイスキーは、モルトウイスキーとグレーンウイスキー、それらをブレンドしたブレンデットウイスキーです。ジャパニーズウイスキーの大きな特徴は、繊細な日本人の舌や和食に合わせて楽しめるように造られていること。5大ウイスキーの中での歴史は浅いですが、職人による技術の高さが評価され、近年ではさまざまな賞を取っており世界から注目されています。
代表的なものには、

1.山崎
2.白州
3.響
4.余市
5.竹鶴

などがあります。
森林を感じさせるスッキリした甘みや酸味、なんとも言いがたい繊細な香りと味わいがまさに日本人が作った誇るべきウイスキーです。
2014年にNHKで放送された「マッサン」の影響から、ウイスキーが一気に再ブームとなりました。現在ではジャパニーズウイスキーのニーズは世界中でどんどん高っています。そのため原酒不足が続き入手が難しい状況となっています。
 

近年人気が高まっている台湾ウイスキー

最後は台湾ウイスキーです。台湾ウイスキーは世界5大ウイスキーに比べ歴史は最も浅いウイスキーです。しかし、近年世界的な賞をいくつも獲得しており、今や5大ウイスキーと並ぶ世界を代表するウイスキーとしての地位を確立しつつあります。台湾ウイスキーの代名詞としてはカバランがあります。カバランは、カバラン蒸留所の設備が非常に充実しており、とても高品質な樽を使用していることが特徴です。蒸留所が雪山の山脈に囲まれているため、そこから流れる高山の冷たい軟水を使用しています。それにより甘くなめらかな口当たりが特徴です。また、台湾は亜熱帯気候のためウイスキーの熟成速度が早く、フルーティーでトロピカルな味わいを楽しめます。以前は高級志向で高価格帯の銘柄ばかりでしたが、最近では価格帯を下げた銘柄も発売されてきています。短期間で長熟ウイスキーのような味わいを生み出せるということもあり、今後台湾ウイスキーの人気はますます高まっていくでしょう。
 

まとめ

当記事では、世界5大ウイスキーと台湾ウイスキーについてご紹介しました。
「ウイスキー」とひとことでいっても、原産地の気候やお水、製造過程などによって風味や香りはまったく違うものになります。また、その歴史も深く、はるか昔から世界中で愛飲されてきた奥の深いお酒です。特に近年の日本ではメディアの影響によりウイスキー愛飲者が爆発的に増え続けています。今後もウイスキーは、ますます世界的に注目が集まっていくでしょう。